Inner Circle

バルセロナの週末

イェオ・シュウ・フーンのスペイン式時間の愉しみ方

バルセロナの週末
バルセロナの天気は上々。明るい日差しと冷たく乾いた空気が肌に心地よく、さわやかな風がヨーロッパの港町にいることを実感させてくれる。

金曜にベルリンでの仕事を終え、翌週はマドリッドで打ち合わせ。さて、その合間の週末をどう過ごそうかと思ったときに頭に浮かんだ街が、バルセロナだった。

バルセロナ。悪くない。今までに2回ほど訪れたことがあるが、一日があっという間に過ぎていく街だ。見どころはたくさんあるし、料理やお酒はおいしいし、週末を楽しむには最高かも。

私がバルセロナ行きを告げると、ヨーロッパに住む友人たちは開口一番、「バルセロナはヨーロッパでも有名なスリの天国だから、くれぐれも気をつけなさいよ」と忠告してくれるのだが、大都市では気をつけるのが当たり前。バルセロナが特に危険なわけではないと思う。どこであれ外国の街を訪れるときは、それなりの注意が必要なのだ。

バルセロナの天気は上々。明るい日差しと冷たく乾いた空気が肌に心地よく、さわやかな風がヨーロッパの港町にいることを実感させてくれる。

空港でレンタカーを借りたら、カーナビが付いていた。どの国でもそうだろうが、特にヨーロッパでは、これがあるととても便利だ。これで2日間、自由に街を回ることができる。

ただし、到着したての金曜の晩は、レンタカーは使わずタクシーで市街へ繰り出した。なぜなら、ゆったりとした気分で過ごしたかったし、機械に「250メートル先を左です」と命令されたり、曲がり角を間違えるたびに代わりのルートを再計算されたりするのが煩わしかったから。ちなみに私にとって、ナビに言われたルートを一度も間違えずに運転するのは至難の業なのだ。

向かったのはゴシック地区にある4Catsというレストラン。ここはとても素敵な場所だ。くつろいだ雰囲気のバーではタパスやサングリアが楽しめるし、レストランの内装は明るい色彩にあふれ、大きなフラワーアレンジメントやシャンデリアがまるで劇場にいるかのような華やかさを演出している。

名物デザートであるクレマカタラナまでしっかり詰め込み、少し歩こうということになった。バルセロナはそぞろ歩くのによい街だ。細い路地に入れば、そこかしこにちょっとした発見がある。旅行者にも有名なランブラス通りは、前回来た時よりも整然とした感じになっていた。通りはきれいだし、夜中までごみの収集が行われている。

満月がバルセロナの最初の夜を優しく照らしてくれていた。

アントニ・ガウディの作品もいくつか訪れたが、未完の教会、サグラダ・ファミリアは旅行者であふれかえっていた。自然に敬意を表して造られたというグエル公園にも足を伸ばす。

この公園ではガイド付きツアーなども用意されているが、私は自分で自由に歩き回る方が好きだ。石器時代にタイムスリップした気分で散策してみれば、足りないのは恐竜の姿ぐらい。いえいえ、公園の入口には恐竜ならぬガウディの大とかげが鎮座しているのだ。

公園からバルセロネータ地区の海岸まで車を走らせる。日差しに誘われて多くの人出があるものの、海に入るのはウェットスーツを身につけたサーファーのみ。体格のよいスペイン人でも、さすがに冬の海で水遊びする気にはならないらしく、カフェやレストランがにぎわっている。

何を優先すべきか合理的に判断できる文化は素晴らしいと思う。それに倣って、私たちもビーチにあるレストランのバルコニー席に腰を落ち着け、たっぷり4時間はかけて食事やお酒を楽しんだ。頭の片隅で「今日の午後のスケジュールはめちゃめちゃだわ」と思いながら。でも、それで構わない。旅というのは、今この一瞬一瞬を楽しむためのものであり、それによって何を得るかは、また別の問題なのだ。

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