Inner Circle

デザインから紐解くヘルシンキ

子供の頃、イェオ・シュウ・フーンがフィンランドへの旅を夢見ていた理由

デザインから紐解くヘルシンキ
だから、ある10月の朝にヘルシンキに降り立った時は不思議な気持ちでした。滑走路では金色に輝く朝日が真っ青な空を貫いています。「-3℃」と機長は言いました。

10代の頃、私にはフィンランドにペンパルがいました。クリックすれば友達ができるような時代の前の話です。フィンランド人を選んだのは、南国の島で育った少女にとって、雪と氷の国に友達がいるということは、想像力を絶することだったからです。

文通は数年間続き、手紙を出した後は期待に胸をふくらませて返事を待ちました。あの頃は手紙を待つ必要があって、送信や返信が一瞬で届くような時代ではありませんでした。ユッカ・トウヴィネン君は、毎日の生活、学校であったこと、家族のこと、寒い冬のこと、雪のことを書いてくれました。

彼の手紙からフィンランドの景色を思い描き、いつの日か必ず訪れたい場所となったのです。

だから、ある10月の朝にヘルシンキに降り立った時は不思議な気持ちでした。滑走路では金色に輝く朝日が真っ青な空を貫いています。「-3℃」と機長は言いました。

航空会社の会議での講演者として招待されていた私は飛行機から降りてラウンジに向かい、入国管理官がパスポートにスタンプを押し、スタッフが荷物を取ってきてくれるのを待っていました。そこで待っていたドライバーと合流し、約30分の距離のホテルに向かいました。

車内で私は、こんな形でフィンランドに来た私をユッカ君はどう思うだろう、と考えていました。

ヘルシンキはいい雰囲気に包まれていて好きな街です。規模が小さく徒歩で周るのにぴったりです。ヘルシンキの人の第一印象は形式ばっていて堅苦しい感じですが、打ち解ける努力をするとフレンドリーで協力的で、ドライな笑いのセンスを持っています。これには長い冬と年間を通して薄暗い環境が関係しているのかもしれません。

フィンランドでは天気に恵まれていました。身の引き締まるような寒さでしたが滞在した3日間すべて晴れて、ヘルシンキをたっぷり散策できました。市内での移動に使ったトラムは1日パスが8ユーロで、1748年に建設された群島船団の基地、スオメリンナの要塞までのフェリー乗船券もついています。

今回は要塞までは行きませんでした。街に魅力的なスポットがたくさんあったことと、船に乗るのは寒いと思ったからです。

私にとってヘルシンキはデザインと食の街で、最初に行ったのはヘルシンキ・デザイン博物館でした。その時はフィンランド・デザインの回顧展と特別展の「デザインから紐解く中国」の2つを開催していました。

フィンランドのデザインが、シンプルさと明確なラインを使う基本要素を保ちながらも進化してきた過程は興味深いものでした。中国のデザインについての紹介も、魔法瓶、キャビネット、ドローンなどを展示していて目を見張るものでした。

博物館は1時間ほどあれば全部見られます。最後には博物館ロビーにあるコーヒーショップでおいしいコーヒーとコルヴァプースティ(フィンランドのシナモンロール)がほしい感じになっているはずです。

博物館はデザイン・ディストリクトにあって、プナヴオリ地区のショップを見て回るのが楽しいでしょう。隠れた場所にあったり入口が変わっていたりするショップもありますが、店内に入るとフィンランドの雑貨、ファッション、インテリアアイテムなどの宝庫です。

レストランでは、デザイン博物館から1ブロック先にあるフィンランド小皿料理のお店、ユーリを勧められました。きれいに盛り付けられた風味たっぷりのお料理で、一品の量が少ないので1人で行ってもいろんな種類が楽しめるでしょう。 

ヘルシンキのおすすめスポットはまだまだあります。セナーテ広場はヘルシンキ大聖堂が見下ろす美しい広場です。大聖堂の中にも入ってみましょう。ヨーロッパ南部の大聖堂のような華美な感じはありませんが、シンプルな上品さが漂っています。

ストックマンは北欧最大のデパートで、フィンランドならではのアイテムが1カ所で揃います。隣のアカデミア書店(Akateeminen Kirjakauppa)は、米小説家マイケル・カニンガムがお気に入りの書店に挙げたお店です。本を眺めたり、読んだり、コーヒーを飲んだり、ただ本に囲まれる環境がある大きな書店は素晴らしいものです。

ここでは必要以上に本を買ってしまいましたが、アイザック・アシモフやテリー・プラチェットの名著は見逃せませんでした。ユッカ君はたぶん私が購入した本に喜んでくれるでしょう。彼もSFやファンタジーが好きでした。

注:クリスマスが近づくとヘルシンキのホテルはすぐ予約でいっぱいになります。雪の街への旅行を考えているもののフィンランドの極寒はまだちょっと無理、という方には、イギリスのボンドストリートで開催されるクリスマスのライトアップなら、そこまで気温も低くなくて魅力的でしょう。でもおそらく雪は降りますよ!

 

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