Inner Circle

心に残るアロハスピリツト

イェオ・シュウ・フーンがハワイを再発見

心に残るアロハスピリツト
ハワイ人は、人間が天然の資源から隔たりを持つことで、自らのアイデンティティーが失われるのだと信じている。

島を最後に離れてから随分と経つのにホノルルには何か心に残っているものがある。もうかれこれ10年以上行ったことがないのに、前回、飛行機を降り立ったのがまるで昨日の出来事のようなのだ。空港はまるで同じ感じだった。広告はみな日本語で、何年も前もそうだったのだが、きっと初めて訪れる人は驚くに違いない。ハワイに最も頻繁に観光旅行をするのは相変わらず日本人なのだが、今では韓国人や中国人など様々なアジア人が旅行するようになった。

タクシー乗り場で、目の前に横付けしてあった巨大なストレッチリムジンに乗っていたのは韓国人のドライバーだった。金氏はソウル出身だ。もうホノルルに30年間住んでいるそうだ。「ここが大好きなんだよ」と彼は言った。「リラックスできるからさ。」リラックスという言葉は、ホノルルを表現するのにぴったりだ。全世界からの観光客がオアフ島や近隣の島々にやってきて、遊んで、食事をして、ショッピングをして、ワイキキを歩くのだ。フライトを乗り継いて到着した後で、とても疲れていた。だから、まず海風を感じながら体いっぱい太陽に浴びたかった。記憶に残っていたとおり、ワイキキには白い砂浜が広がり、海水浴や日光浴をする人で溢れかえっていた。

怠惰に過ごしてホテルの周りに留まるのは容易いことだった。実際、必要なものはすべて揃っているのだ。お店やカフェ、レストラン、遊び場やプールなど。しかし、メインのショッピング街がどれほどに変わったのかちょっとした冒険をしに出歩きたかった。現地の友達にコオラウポコ・ハワイアン・シビック・クラブが催行している伝説のコオラウ観光を勧めてもらった。この団体のミッションはカネオヘ湾地域の伝統を守り後世に伝えることだ。.ツアーガイドによると、1778年にジェームス・クックが島にやって来るまで、この地域には最大の人口のポリネシア人が暮らしていたそうだ。彼らは非常に高度な漁業技術を持ち、農作でも灌漑を行っていたそうだ。

そして企業家精神に溢れた若いハワイ人がその伝統の技術を今に蘇らせようとしている。モリーの養魚池を訪問した。そこは昔のポリネシア人が使っていたままの姿で残っている養魚池.だ。水門を使って海水の流れを調節して海洋魚の養殖をするのだ。ヘエイアは、いくつか近隣にある村が集まっている国勢調査の対象地域だ。ここでは、タロイモの農作によってハワイで自給自足を賄うという意欲的な計画について学んだ。1927年までは、島に豊かなタロイモ畑が広がっていたのだが、サトウキビとパイナップルが高い値段で売れるので、現地の住民はそれまでの食生活を捨てて輸入食材に頼るようになった。

ハワイ人は、人間が天然の資源から隔たりを持つことで、自らのアイデンティティーが失われるのだと信じている。結果的に、シビック・クラブでは、450エーカー(約1800平方メートル)の土地を1927年以前の状態に戻そうとしているという訳だ。彼らの最優先課題はハワイの食生活にタロイモをもう一度復活させることだ。MBAコースに通っている学生のパトリシアが色々な場所を案内してくれて、現代農業の本質について典型例を示してくれた。高度な教育を生かして明確な計画を立てて、湿地帯を甦生 させハワイ人が元来食べていた穀物を栽培しようとしている。「Grow local, eat local(ローカルで栽培してローカルで消費する)」というムーブメントが彼女の活動を後押ししている。現地の農民に現地で栽培した穀物を現地のレストランで注文しようと働きかけているからだ。

マノア・ヘリテージ・センターにも訪問してハワイの原生植物について学んだ。クック家によって非営利団体として1996年に設立されたセンターでは一般向けにツアーを行っている。開発が進んでいない地域の学校の生徒に向けて、無料で教育プログラムを提供している。「カハハオプナ(マノアの美しさ)」という「虹の子供」の伝説について書かれた子供向けの本をもらって帰って来られたのはとてもラッキーだった。

ジェームス・ラムフォード氏によって書かれたこの本は、今でもカウアイ島に住んでいるマリー・クック女史によって繰り広げられたこの地域での闘いの結果生まれた。この盆地の中心部に高層タワーを建てようとしていた地域政府への彼女の反対運動だ。ハワイの伝統を受け継ぐ盆地についてその重要性の認識を広めるためにこの本は使われている。10年間もかかったが、結果的に彼女はその闘いに勝利した。

ハワイ人の文化について学び理解を深めると、それが如何に他の多くのアジア文化に似ているか気づかされる。ハワイ人の子供の名前のつけ方は、本質とバランス感覚によるものだという。中国人とよく似ている。水を神聖なものとして崇めているのはチベット人とよく似ている。若い世代が過去の習慣をより重んじるのはアジア人の若者が伝統を学びたがるのとよく似ている。今回の体験を通じて、アロハスピリットがより長い間、私の心に残るに違いないと確信した。あと十年間この島に訪問しないとしても、それはきっと変わることがないだろう。

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